現代の若者にとってコンビニとファスト・フード店で働くことは敬語を学ぶためのほぼ唯一の機会ではないでしょうか? しかし、その言葉使いはマニュアルどうりでどの店も同じ。おまけに奇妙。 例えば、僕の近所のコンビニはいつ行っても「いらっしゃいませ~、こんにちは~」とお店の全員が心を込めずに声を揃えます。これだけでも気持ち悪い。宅急便を出す時も、用紙に書いてあるのにそれを見ずに必ず「お届けのご希望時間のほうはありませんか?」と聞かれる。そして帰りには「ありがとうございま~す」の合唱。僕はいつも「帰る客にはありがとうございました、だろう!」と思いながら帰ります。 レストランや居酒屋で聞く、たとえば、「はい、こちらフレッシュ・サラダになります。ご注文のほうこれでよろしかったでしょうか?」 これは本来、「フレッシュ・サラダでございます。ご注文はこれでよろしいでしょうか?」、と言うべきであって、話始めにやたらと「はい、」を言うのは聞き苦しい。また、フレッシュ・サラダになる前はいったい何だったのだろう? 若者の言葉の乱れの原因は、人から教わったことをすぐにマニュアル化して、自分の頭で考えない事が一番の原因だと思います。でも、ひょっとして、こんなに変なことば遣いを平気で若者に教える中年の店長のほうがマニュアル化しているのでは?
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